GARDEN CITY LIFE~annex~

お越しいただきありがとうございます。当ブログは清水玲子先生の『秘密』のレビュー(時にネタバレ)と二次創作(こちらは一部BL要素含)のざっくり二部構成になっております。記事は単純に日付順に表示されておりますので、お読み頂く際はサイドバーや記事一覧などでカテゴリーをご確認またはセレクト頂けますと安心、安全です<(_ _*)>

薪にゃんと一緒 sect.2 

※こちらもリアルには2015年6月20日アップですが諸事情で沈ませております。ご了承ください。日の当たらないところに置いておきたい心情をご理解いただける方はそっと読んだ後気をつけてお帰りくださいませ。



続いてしまった…(゚д゚)!←ビックリやな(・・;)
しかも恐ろしいことにシリアスなのかコメディなのか定めきれていませんすみません。
ニャンコ先生はどこかへ行ってしまい今回はちょっと『ちはやふる』にかぶれてます(一部)。←もはやニャンコの設定が無意味っぽい…あ、『ちはやふる』何それ?でも支障なく読めます。どこなのかわかった方は今度一緒にかるた会でもいかがですか?(笑)

ところで友人から男は三十分もあれば余裕で歯磨きシャワー済ませられるよ、薪にゃんは甘いな、という指摘が(笑)。知ってる(笑)うちの夫もそうだから(^_^;)…ふふふ、気にしない気にしない。

原作薪さんのイメージを著しく損ないたくない方はここから先、ご注意くださいね。あと、とっても青木を愛しておられる方も、ごめんなさい、先に謝っときます。
長くなってすみません。しばらくしたらこのシリーズは人様の目に触れないよう下の方へ隠すつもりなのでお許しを…(。-_-。)

ひとまずはこの辺が限界なので、私はこれ以上足突っ込むのやめときます。怒声罵声を我慢して見守っていただいた皆様、ありがとうございました。

 



時間に厳しい薪さんに「おまけ」はあり得ない。きっと一秒でもオーバーすれば容赦なく消えちゃうに決まってる。我ながら自分の必死さがおかしかったけど、濡れた身体を大雑把に拭くと、とりあえず下着だけを身に着けてパジャマをひっつかみリビングに出た。時計を確認するとあと五分。…良かった間に合った。
(ああでもまだ髪が乾いてないし早くパジャマ着ないと)
 別に仕事じゃないんだけどどうしても薪さんがいると思うとパリッとしなきゃ、と思ってしまう。それにちょっとしたトラウマがあって特に髪の毛に関してはあの人の前で洗いざらしで下ろしたまま、を避けたい。昨日もその前も、そのままが嫌でもう寝るって時に馬鹿らしいけど軽くセットしてから戻ったのだ。洗面所に戻ると、俺は前髪をつまんで鏡を覗きこんだ。
(いやさすがにもう間違われたりしないだろうけどあの人今酔っぱらてるし)
 自分で認めるのは悲しいけど、似ているのだ、前髪全部下ろしちゃうとある人に。過去に何度も間違われてるし(薪さんにもY子さんにも)、もしまた呼び間違われたりした日にはもう…。
(もう…?)
 どうなんだろう。チクリと胸が痛む。大丈夫、わかってる。薪さんの中から、あの人が消えることはないって。いちいち傷付いてちゃ駄目だ、薪さんの中で誰が一番だってそんなの関係ない。今傍にいるのは、薪さんが見てくれているのは俺じゃないか…もっと自信を持て!俺。
 どうしても萎縮してしまう気持ちを奮い立たせている自分に、毎度ながらあれ?と思う。何で俺、こんなに必死なんだろう。正体のわからないこのもどかしい気持ちにいつも戸惑ってしまう。
 他の誰かじゃなく、まず自分を見て欲しいなんて、これじゃまるで……。
(あ!!ヤバ…ッ!!)
 考え事をしていたらすっかり忘れていた。タイムリミットが迫っているのに、何のんびり鏡なんか見て考えことしてんだろう。時間――まだ大丈夫か!?
 大急ぎでパジャマに足と手を通し、ボタンを留めながら時計を確認するとあと一分を切っていた。そうだ、眼鏡眼鏡…。
 夜中にバタバタと物音をたてるわけにはいかず、俺はつま先立ちでなるべく足音を立てないよう、でも小走りに自室へ舞い戻ると、ドアを軽くノックした。生身の薪さんじゃないけれど、中にあの人がいると思うと自分の部屋に昔の室長室のような錯覚を憶えて懐かしさがこみ上げる。
 返事がないのでそっ、とドアを開けて中を窺えば、メインの照明は消え、小さめのフロアライトがひとつだけ灯っていた。誰もいなくなった床から視線をベッドに移し、ほっと胸をなでおろす。
「薪さん…」
良かった待っていてくれた…でも、寝てる?声をかけても反応がないところを見ると、待ちくたびれて眠ってしまったんだろう。ベッドの上で丸くなり、うずくまるように眠っている姿は本当に猫みたいだった。呼吸のたびにスーク、スークと微かな寝息を立てているのが近づくと聞き取れて、それに合わせて上下する背中が可愛らしい。そう言えば初めて会った時もこんな風に寝息を立てて眠っていた。あの時は自分の中で勝手に出来上がっていたイメージと現実の薪さんの姿とのギャップにひたすら驚いたんだっけ。今や科警研の所長で、警視正で、怒ると鬼のように怖いのに眠っている間はこの可愛さなんだから詐欺だ。…そんな風に考えてから、俺は慌ててブンブンと首を左右に振った。
(いや待て!薪さん男なんだし、可愛いなんて思ったのがバレたら殺される…)
……でも、今は猫だしな。耳とかしっぽがあるから、余計に可愛く見えるんだ、きっと。それなら仕方ない…よな?
無防備な寝顔を見ていると、つい口元がほころぶ。舞の寝顔を見ているときに似ているけれど、同じ幸せでも少し違う不思議な気分だ。
俺は寝ている薪さんを起こさないよう、足元の方にそっと近づき、ゆっくりと腰を下ろした。ベッドがわずかに軋んだが、薪さんが起きる様子はない。そのまま片手に体重を預け、滅多に見られない薪さんの寝顔を近くから見つめた。…うん、ここは特等席かもしれない。それに、やっぱり可愛い。男でも猫でも、朝まででも見つめていられるかもしれない。それにしてもこんな時間になってもヒゲが生えたりしないし、この人ってどうなってるんだろう?何よりこんなに猫耳が似合うなんて本当に同じ男なんだろうか…猫になっていても、相変わらずちょっといい匂いがするし。
そう言えば。
昨日も一昨日も、久々に話せたのが嬉しくて仕事の話ばかりを一方的に話してしまったんだよな。一日目は話し疲れてそのまま眠ってしまったせいで目が覚めた時には朝だった。昨日はその反省から仕事の話はよそうと思っていたのにやっぱりだんだん愚痴っぽくなってしまい、そのうちもういい、馬鹿かお前は、のひと言とともにムスッとした薪さんは煙のようにかき消えてしまったのだった。
やっぱり俺は、この人を前にするとつい甘えが出てしまう。何か意見が聞けることを期待しているわけでも励ましが欲しいわけでもない。ただ、ちゃんと聞くから、といつもどんな些細なことであってもこの人が俺の話に耳を傾けてくれたあの日々に感じていた安心感を、気がつくと求めてしまうのだ。
東京の第九での日々を終えてこちらに戻り、自分が室長と呼ばれるようになってわかったことがある。いくら信頼できる部下に恵まれても、彼らの意見を聞くことができたとしても、自分の中でまとめられずに答えの出ない考えを聞いてもらうことはできない。上に立つ者は時に孤独で、責も重い。それを痛感する日々の中で、未熟な俺は情けないことに許されないと知りつつも時々弱音を吐きたくなることがある。行き詰まった時つい無意識に記憶の中に探してしまう背中がある…目で追えるところにはもうその人がいないと知りながら。今にして思えば、かつては話を聞いてもらう中で答えにたどり着くことだってたくさんあったように思うのだ。目の前には先が見えなくても、薪さんの中にそれが見える気がして不安はなかった。それに、あの頃は迷うことだって許された。でも今は迷いを見せれば部下たちに不安を与えてしまう。いつもぶれることのなかったこの人の凜とした後ろ姿に少しでも近づきたいと思って頑張ってはいるけれど、当の本人を目の前にすると未だ「部下」だった頃の自分が出てしまう。
…この強い人は、こんな風な心許なさとは無縁だったんだろうか。
(俺なんて、舞がいなかったらきっと保たないもんな)
激務が続く仕事では記憶の中の薪さんのまっすぐな背中が、家に帰ると舞の笑顔やあの子と過ごす時間が今の俺の心の拠り所で、精神的な支えになっている。
(俺にはそういうのがあるけど)
薪さんは…?
いつもどんな時も強くあるこの人には、必要ないんだろうか。そんなものは無くても、この人は折れることなんてなさそうだけど…でも、どうして今この人はこんな姿でこんなところにまで会いにきてくれているんだろう。
(ああでも、それなのに俺、昨日も一昨日もなんて事したんだろう)
薪さんが黙ってるのをいいことに、決してないがしろにする気はなかったんだけどペラペラペラペラ喋っちゃって。男のお喋りなんて、きっと薪さんでなくてもウンザリだろう。
……こんなんじゃ駄目だ。
そうじゃなくて。
そう、別に毎晩、仕事の話を聞いて欲しいわけじゃないはずなんだ、本当は。今日だって、急いでここに戻ってきたのはそうじゃなくて。仕事で支えて欲しいわけじゃなくて、甘えたいわけでもない。…そっちは自分がしっかりしなきゃいけない話で、もっと。
「…薪さん」
ポツリと呼びかけると同時に膝に勢いよく何かがぺしっと打ち付けられて、思わず「うわっ」と声が出た。
「何だ」
反射的に後ずさってしまった俺を細めた目で冷ややかに見つめる薪さんの、薄暗がりでも金を帯びて光る瞳と目が合う。いつ目が覚めたのかわからないが、どうやらさっき膝に当たったのは薪さんのしっぽのようだった。可愛いけど、そんなので返事しないでください…。
「起きてたんですか?」
今の今まで、寝てましたよね…?
「別に眠ってなんかないぞ?」
嘘かホントか判然としないことを言ったかと思うと、薪さんはウーン、と大きく伸びをしてゴロンと反転し、そのまま仰向けになった。顔だけを俺の方に向け、わずかに間をおいてくすりと笑う。
「…何だ、今日はセットしてないんだな、髪。そうしてると本当にお前…」
…出た!予想はしていたけれどもうこれはただの意地悪なんじゃないかとさえ思う。
「薪さん」
昔と違い悪戯っぽく言っているけれど本気が混じっていそうで怖いのだ。その後に続く言葉は聞きたくなくて、俺は無礼を承知で薪さんの台詞を遮った。ちょうどいいから本題に入ろう。
「うん……?」
「薪さん俺、こっちに舞を連れて戻ってから、幸せなことがたくさんあったんですよ。初めて舞が歩いたりとか、喋ったりとか、行ちゃんって呼んでくれるようになったり、父の日には絵をプレゼントしてくれたり、ベタだけどそういうのがいっぱい」
「……またうちの子自慢か」
聞き飽きたぞ、と苦笑すると薪さんは興味をなくした様子でフイと顔を背けてしまう。パタパタとしっぽが揺れる。構わず、俺は続けた。
「そういう時いつも思ってました。あぁどうして今、あの人がここにいないのかな、って。ここにいてくれてこの気持ちを共有してくれたら、どんなにいいのにって」
ピタリとしっぽを止めた薪さんが、ゆっくりとこちらを振り向く。
「……あの人?」
「はい…あなたのことです、薪さん」
俺はベッドの上に伸ばしていた足を引き寄せ正座すると、姿勢を正して薪さんの方に向き直った。東京で再会して以前手紙で伝えた気持ちはもうそれだけでいいと思ったけれど、また会えない日が続くと気持ちは引き戻されてしまっていた。そして、まるでそんな気持ちを察したようにこんな風に薪さんが会いにきてくれたから。今度は直接伝えたい。薪さんの口から、言葉が欲しい。
「自分にとって大事で幸せな瞬間に、ここにいてくれたらいいのにって思うのが家族だと思うんです。俺にとってそれはいつも…舞とあなたなんです、薪さん」
「……青木」
「あなたが今ここにいてくれるのは…こうして話してくれてるのは何故なんですか薪さん。あなたは違うんですか…?あなたにとって俺は…」
言い募る俺をじっと見つめていた薪さんが、瞳をわずかに伏せる。もうこの人の中では終わった話なのかもしれないのに、困らせてしまっただろうか。でもどうしてもきちんと、気持ちを聞いてみたかったのだ。迷惑だ、嫌だと言われるなら仕方がない。けれど今は、近くにいるから。近くにいると思えるから、期待してしまう。
ただの「かつての部下」ではなく、鈴木さんの身代わりでもなく…特別だと思っちゃ駄目なんだろうか。家族でないなら、そうしたらあなたの中の俺は…?
膝に置いた手を握りしめ俯いていたら、近くからあおき、と呼ぶ声がしてハッと顔を上げた。
いつの間にか起き上がりこちらに近づいて来た薪さんが、間近から俺を覗き込んでいた。暗がりとはいえ、至近距離だとさらに迫力を増す美貌に息を呑む。
「青木…お前の言うように幸せを共有したいっていうのは確かに…家族なのかもしれない。僕はずっと無縁だったからよくわからないが…でも、手紙でお前が書いていたように好きな本の話や趣味の話、そういう他愛もないことを一日の終わりに気軽に話せるのもきっと家族なんだろう。僕はお前といると気安いし…お前と舞ちゃんのことは大切に思ってる」
「薪さん…じゃあ」
じゃあ、同じということなんだろうか。同じように思ってくれている…?
嬉しくて笑顔になりかけた俺の前で、けれども何故か薪さんは真顔のまま押し黙っている。なんか今…一瞬、この人の周りの空気が変わったような気がしたのは気のせいだろうか?
「でも、だ」
ややしてから力強く響いたのはどういうわけか、でも、という否定の言葉で。え?と俺は困惑する。
「でも、お前、わかってるのか?『仕事が終わってから次の日仕事に行くまで』一緒に過ごすって、まさか夜通し僕が読破した哲学書の話を聞きたいわけでも、趣味の語学で学んでいるウラ語やエスペラント語の話を延々とされたいわけじゃないんだろう?」
「え…ええっと、それは、まぁ」
そんな話が延々続けば、きっといつぞやのように寝オチして朝だ。っていうか薪さんの趣味…一体誰が夜通し付き合えるんですか?…本気で付き合って欲しいわけでもないでしょうに。
真面目に話してたつもりだったけど、ちゃんと伝わってなかったんだろうかと不安になって俺は慌てて別の言葉を探した。もしかして分かりにくかったかな?表現が平凡すぎて響かなかったとかか?もっと詩的に胸に響く言葉でうったえるべきだったんだろうか。何やら剣呑な目つきで俺を見上げていた薪さんはやれやれと目をつむって深い息を吐くと、おもむろにグイッと俺の両肩を掴んだ。考え込むあまり反応が遅れた俺が「え?」と言う間もなく、そのまま力任せに体当たりよろしく背後に押し倒してくる。次の瞬間、俺はあっけなく後ろにひっくり返り、薪さんの肩越しに天井を仰いでいた。
「ちょ…っ、何すんですか薪さん!!」
ベッドの上だから痛くはないけど、意図がわからない。俺の両肩を、ぎゅっと肉球のついた手が押さえ込んでいる。まさかこのタイミングで猫ゴッコ…!?
爪は引っ込めてくれているようだけど、それでも先が当たってちょっと痛い。馬乗りになるように俺に覆いかぶさった薪さんが青木、と俺の名を呼ぶと、あたたかい呼気が肌に触れて…息遣いがやけに近い。それだけのことなのに妙な気分になって視線を慌てて逸らそうと泳がせてみたけれど、それでもまっすぐにこちらを射抜くように見つめる視線にこっちを見ろと言われているような気がして、どうしても逸らしきれなかった。引き戻された視線がぶつかり、再び絡み合う。
(まずい、心臓が)
こんなに近いとドクドクと忙しく脈打っている心音を気取られそうで、俺は焦って肩を押さえつけている細い手をどけようとその手首に指をかけた。華奢な薪さん相手なら形勢逆転は簡単だーーそう思ったのだ。
…だけど。
「どいてください薪さんっ、ちゃんと俺の話聞いてくれてました!?俺は真面目に」
「僕だって真面目だ」
この細い身体のどこにそんな力があるのか、それとも化け猫だからか力を込めて振り払おうとするのに薪さんの柔らかい手はびくともしない。不思議な熱を帯びた瞳がじわじわと距離を詰めて顔に近づき、俺は呑まれそうになってクラクラする頭を軽く振った。すると肩にかかっていた薪さんの片手が外れ、柔らかい毛に包まれたそれがこめかみの辺りに触れる感触があった。かけていた眼鏡が造作もなく取られる。取られた…けど。
(ウ…!酒クサ…っ)
目を閉じて視覚を封じたら嗅覚が生き返ったみたいだった。そうだ、すっかり忘れていたけれど、この人一升瓶を…。
「返してください、この酔っ払い!パワハラで訴えますよ!?」
どうりで行動がおかしいわけだ。俺は眼鏡のつるを器用につまんでひょいと持ち上げた薪さんの手を追って腕を伸ばした。視界がぼやけているが、シルエットはわかる。ようやく肩から手を離し上体を起こした薪さんは悠然と俺の手を躱し、手首の動きだけで手中の眼鏡を俺の頭上に向かって放り投げた。…あり得ない。
ぽふっ、という音がしたからどうやら落下したのは布団の上のようだが…投げるか!?
「誰が酔っ払いだ、僕は素面だぞ。この状況を訴えられるならやってみろ、東大法学部」
フンッ、とおかしそうに鼻で笑うと、薪さんは俺に跨ったままそう言い放った。
「ふざけないで取って下さいよ!俺本当に見えないんですから」
「見えなくても大丈夫だ」
「は…!?」
何が!?
「なぁ、青木」
ワントーン声を落とすと、ゆっくりと身を屈めながら薪さんは囁くように名前を呼んで再び顔を近づけてきた。動きに合わせてサラリと揺れる髪が俺の顔にかかりそうな距離だ。これならしっかりその表情もわかる。その目が笑っていないことも。ちょっと…近すぎる。
「お前僕が遠く離れた家族と雑談したくてこんな風にここに来ていると思ってるのか?」
薪さんの手が、爪が触れるか触れないかで俺の頰にかかり、そのまま撫でるように首筋の方へと滑っていく。猫の手だっていうのにその手の動きは妙に艶かしく、ゾクリとした。いつの間にか俺の耳元に顔を寄せた薪さんの呼吸は少しも乱れてはいなかったが、首筋にあたる湿った呼気はわずかに震えを帯びていて、俺は今までで一番近くから薪さんの声を聞きながら、裸眼では殆ど役に立たない両の目を閉じた。そうすると何だか、身体の中に薪さんの声が響くような気がして不思議な高揚感に包まれる。…いや、だからそんなのにひたっている場合か?
「今、僕と本当の家族みたいに仲良く仕事や舞ちゃんの話をするのがお前の望みなのか?僕と家族になりたい?本当に?」
「……!?」
「青木、よく考えろ。本当は…僕をどうしたい…?」
そう言うと薪さんは囚われたように動けずにいる俺の耳朶にかぷりと齧り付いた。





(長…っ。終わりです…_| ̄|○)




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Comment

Name - eriemama  

Title - 拍手鍵コメM様

はじめまして。コメントありがとうございます(^∇^)
そうです、漫画の方です(^-^)机くんのセリフをパロってます(⌒-⌒; )

かるたの百人一首、私も持ってますよ。昔百首覚えて、今も結構覚えている方かと…元々古典が好きなんですが、和歌の中の言葉も響きがとても綺麗で大好きです。ちょっとかなちゃんみたいですね(笑)

それはそうと竜田川って大和川のことなんですか。知りませんでした。
2016.01.23 Sat 22:10
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Name - eriemama  

Title - Re: きゃあああ

委員長!お疲れ様です( ^ ^ )/□

> じっくり読み込んでからコメントしようと思ってたら

いや、あんまり読み込まれるとアラが…(笑)それでなくとも危ないのに(^^;;
昨夜たきぎさんの薪にゃんが解禁(←鮎みたい)になったのに刺激受けまして、すっかりぐでたまみたいになってましたが薪にゃん熱再燃しました(笑)。ちょっと続きにチャレンジ中です(⌒-⌒; )。とは言え他の皆さんみたいな色気のあるのは書けないと思いますが…

ちえまるさんの薪にゃんもお待ちしてます!多分たくさんの方が首ながーくして待ってますよ〜(笑)
2015.06.28 Sun 10:58
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Name - ちえまる  

Title - きゃあああ

じっくり読み込んでからコメントしようと思ってたらすっかり出遅れ…ぎゃー可愛かった!力がみなぎった!もうね、最初っから「薪にゃん」が「薪さんの生霊」って発想自体にヤラレタ!って…eriemamaさんの発想力に感心しましたよ!!もう、もう、もっと書いてくださ~い!!!!
2015.06.27 Sat 23:32
Edit | Reply |  

Name - eriemama  

Title - Re: ですよね!!

> そう言えば自分だって「イイトコロ」でやめて次は「事後」とゆうパターンが…いや私のは手抜きとアメーバ対策…汗

すみません、ど素人なのに偉そうに(-ω-;)。いやもう、わたしのはイラストで言えば「へのへのもへじ」レベルなので、書くのは楽しいけど出しちゃいけない気がするのですよ…(^^;)

> 色々考えてのラストでしたか…失礼いたしました。

とんでもないですっ。優柔不断だし考えるのしんどくなって切ったので私も手抜きに近い(笑)。

> 私の脳内では、
> 青木上京した時に薪さんっこの間の夜は俺ほんっとに幸せでした今夜お部屋伺っていいでしょうかデレデレッは?おまえ何言ってるんだ頭沸いたのか?ええっアレは薪さんじゃ!?…で、薪さんこっそり「にゃ♪」とかいう話が出来上がっておりますがダメですか(笑)

なみたろうさんらしいかも(笑)私のはかなり面倒くさいです…っていうか生き霊とか猫相手に…ねぇ?何ができるのかしら?(笑)←カワコからのつっこみ
2015.06.23 Tue 19:34
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Name - なみたろう  

Title - ですよね!!

そうですよね作者が一番続きを妄想してますよねわかります!!
そう言えば自分だって「イイトコロ」でやめて次は「事後」とゆうパターンが…いや私のは手抜きとアメーバ対策…汗

色々考えてのラストでしたか…失礼いたしました。
では、後日談をお願いします(笑)
私の脳内では、
青木上京した時に薪さんっこの間の夜は俺ほんっとに幸せでした今夜お部屋伺っていいでしょうかデレデレッは?おまえ何言ってるんだ頭沸いたのか?ええっアレは薪さんじゃ!?…で、薪さんこっそり「にゃ♪」とかいう話が出来上がっておりますがダメですか(笑)
2015.06.23 Tue 18:33
Edit | Reply |  

Name - eriemama  

Title - Re: ちょ、

> 横からごめんなさい!
> ヤマネさんの最後の文に萌え死にました!

ハイ私も!(笑)

> 今はたべられたいの!そう!
> たべられたいの薪にゃん!!(°▽°)
> というわけで続きお願いします←

青木の「いただきます」書いていいんですか?想像の方が美しく(楽しく?)ないですか?(笑)

薪にゃんもっとズバッと言っちゃうバージョン、なるようになっちゃうバージョン、コントのように終わるバージョンと3パターン書いて全てボツにし、結局あのラストにしたんですが(^_^;)…ダメ?

とりあえず、続きを書くともう後戻りできなくなっちゃいそうでコワイです(笑)さほど需要もないはずだし(笑)でもありがとうございます、ゆっくり考えます(^_^)←一度座ると腰が重いんです。。。
2015.06.23 Tue 08:47
Edit | Reply |  

Name - eriemama  

Title - Re: どうしたいって、そりゃぁまぁその…

> 続きが読めた!\(^-^)/ありがとうです。

こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます。

> でもでもですね、うーーーーーですよ。

頂いたコメントほぼ全部そうだったのですみません(ーー;)さすがにアワワ、ってなってます^^;
確かに誘い受けが薪にゃんお約束なのに途中で終わってるよ、って自分でもつっこんだんですよ?
けど、そこまでひっぱると長くないですか(笑)←既に長いわ

> でもね、それより今はたべられたいの( 〃▽〃)

食べられたい!(((o(*゚▽゚*)o)))
そうです最後のあれは「青木、食べて❤︎」って言ってるんですよ(笑)
だから青木の「イタダキマス」!あとは皆さんのご想像で……ダメ?(笑)
2015.06.23 Tue 08:34
Edit | Reply |  

Name - なみたろう  

Title - ちょ、

横からごめんなさい!
ヤマネさんの最後の文に萌え死にました!

今はたべられたいの!そう!
たべられたいの薪にゃん!!(°▽°)

というわけで続きお願いします←
2015.06.22 Mon 20:11
Edit | Reply |  

Name - ヤマネ  

Title - どうしたいって、そりゃぁまぁその…

続きが読めた!\(^-^)/ありがとうです。
でもでもですね、うーーーーーですよ。
薪にゃん、誘った、うん。
たぶん青木くんオチるの早すぎて、受けどころじゃない?
酒臭くても、猫手でも迫られて拒否できたら青木くんじゃないもの(青木くんのイメージがもう……)

青木くんも仕事面では大人になったんだねぇ、しみじみ。
薪さんの気持ち考えられるようになって。
下でいるときはホント、わかんないかもです。
上になって初めて見えること思うこと有りますからね。
部下の成長って本当に嬉しいものなんでよね。
薪さんのね、きっと思ってますよ。

でもね、それより今はたべられたいの( 〃▽〃)
2015.06.22 Mon 14:10
Edit | Reply |  

Name - eriemama  

Title - Re: 襲い受けてないっ!

> やっほ~続きだ! と思って読んだら、なんと襲い受け、じゃない襲っただけ! 受けは? 受けは…受け……(ゼイゼイ)。

受け?あ、ほらだからそれは事務所が(笑)。←何回使うねん(-ω-;)

> ウラ語やエスペラント語って、一体どこからw 

グーグル先生に聞きました(笑)センスがいいのは先生です(^^ゞ

> 百人一首で青薪さん書くかって一瞬浮かんだんですけど、

百人一首で!?(゚ω゚;)それ一瞬浮かぶだけでもすごいですよ?(^∀^;)
和歌は文字だけ、しかもあの文字数で制限もお約束も守らなきゃ成立しない世界なのに思いの丈を自由に表現していて、特に恋の歌は胸アツ(*´ー`*)
ちはやふるは確かに巻数にたじろぎます、電子書籍なら特に怖い(笑)。私はレンタル派やから結構あっという間でしたが(^^;)

> っていうか、eriemamaさん、事務所所属ですか? どこの事務所ですか? 

それは…ヒ、ミ、ツ。。(〃_ _)σ∥←ウザッ

> 「本当は…僕をどうしたい…?」

↑バレてると思いますが今回はただこれを言わせたかっただけ(笑)。だから受けの方は書かずご想像におまかせでその他内容はナイヨ~、というお粗末さになりました。すみません、たきぎさん、受けはおまかせします(笑)
2015.06.21 Sun 15:01
Edit | Reply |  

Name - たきぎ  

Title - 襲い受けてないっ!

やっほ~続きだ! と思って読んだら、なんと襲い受け、じゃない襲っただけ! 受けは? 受けは…受け……(ゼイゼイ)。
ウラ語やエスペラント語って、一体どこからw 相変わらずいいセンスですね♪

自分が室長になって初めて思い返す薪さんの立場とか、少し前のアメブロのほうにあった、親になって初めてわかる親の気持ちの記事を彷彿とさせます。

ちはやふる、面白そうなので読もうと思って電子書籍のサイトにいったら、なんと! 現在27巻ですと? まだ続いていると? 残念、さようなら~。10巻位なら読んであげたのに。←何様
百人一首といえば、秘密と同じ時期(正月の暇なとき)に手を出した「詠う! 平安京」が「最初だけ」面白かったです。
百人一首で青薪さん書くかって一瞬浮かんだんですけど、源氏物語の二の舞になりそうだからやめておこう…。

っていうか、eriemamaさん、事務所所属ですか? どこの事務所ですか? わたし、その事務所を買収して社長になって、続き書かせたいんですけど!
「本当は…僕をどうしたい…?」
○△※~□←こうしたいっ!
2015.06.21 Sun 13:08
Edit | Reply |  

Name - eriemama  

Title - Re: 石だった!

> eriemamaさん、ごめんなさい、太一、「石でできてると思ってるのか」だった!

(´▽`)あえてのアレンジかと(笑)。でも薪さんが言うなら石より岩の方がにあいますよ。青木、岩砕いてるのか(゚ω゚);

> そしてちはやが「私が太一を砕いていた」と泣くシーンで「ええっあんたわかってやってたんと違うんか!」とマジでびっくりしました。確信犯だと思ってたらほんとうのおばかさんだった……

ちはやは少女漫画にありがちな天然お馬鹿ヒロインですからねー、しかも憎まれない愛されキャラ…

> あ、違う漫画の話をしてしまった!
> ちはやふる面白いですよね〜

ね~、面白いですよね~…とコメント欄で地味に宣伝するの楽しい(笑)。いや、ほんまに広めたい漫画です。
2015.06.21 Sun 01:25
Edit | Reply |  

Name - ねこじゃらしにゃんたろー  

Title - 石だった!

eriemamaさん、ごめんなさい、太一、「石でできてると思ってるのか」だった!
瀬をはやみ 岩にせかるる ……の方が印象にあって岩だと覚え違ってました
でもどっちでも可!
あのシーンも太一に「いいぞ、もっと言ってやれ!」と思ったにゃんたろーでした。
そしてちはやが「私が太一を砕いていた」と泣くシーンで「ええっあんたわかってやってたんと違うんか!」とマジでびっくりしました。確信犯だと思ってたらほんとうのおばかさんだった……

あ、違う漫画の話をしてしまった!
ちはやふる面白いですよね〜
2015.06.21 Sun 01:15
Edit | Reply |  

Name - eriemama  

Title - Re: ここに居てくれたらいいのにって

> ここに居てくれたらいいのにって思うのが家族なんだってー!(BYつくえくん)

です!さすが!
今長女が百人一首覚えてて、私も覚え直してるんですよ、脳の老化防止に(笑)。その流れでちはやふる、再読したくなって読んでたら机くん家族言うてるやないの!って目がキラーンw

> (って私すごいオタクぶりを発揮してますよね。このコメント欄で……)

それ言うたら私も結構なハウスですー…(ーー;)
きっとこんなネタで絡んでもらえるのにゃんたろーさんくらいですよ(笑)

> 薪さんに「お前は僕が岩ででもできていると思っているのか」って壁ドンしながら言って欲しい……。

ぎゃーこれ言って欲しい!壁ドン!誰か言わせてやって!♪───O(≧∇≦)O────♪

> ていうか、eriemamaさん、薪さん襲ってますよ?ますよ?
> いいぞもっとやれ!(笑)

薪さんは薪にゃんになると5割増しくらいで積極度アップ、自分に素直になるのです(ほんまかいな)。
はい、襲いました。でも本当は襲われるの期待w
行け行け青木!ゴールはそこだ!←?
2015.06.21 Sun 00:49
Edit | Reply |  

Name - eriemama  

Title - Re: いゃああああああああっ

> ここで終わります!?(笑)
> Misaさんの言う通り、ファンの想いをぶつけて…青木はにぶちんだし薪さん頑固だし、薪にゃんに言わせるとはうーんあっぱれ!!と思ったら、ここで終わります!?

ハイ、終わらないと、この先書いちゃうのは事務所的に(笑)←何様〜
青木はきっと撃沈、あっという間に襲った薪さんが襲われるという…いや、しまった事務所が(もういい)。

> 薪にゃんの猫らしさも可愛かった~

え?猫っけありますか?途中、猫って忘れてておっといかん、って無理やり加筆、を繰り返しました(笑)。気づくと普通に薪さんのイメージになってて(^^;;

> もしかして勇気を出すために飲んだの薪にゃん( ;∀;)可愛いすぎる!

酒の力は絶大です。でも薪さんは自己申告のとおり酔ってないと思う(笑)酒の力を借りる→実地の経験はない→試してみるか、みたいな(笑)

> ごちそうさまでした。
> 可愛かったです。

いやいやこちらこそ今日は久々に4コマ風でない薪にゃんに萌えました。ありがとうございました。

> 続き待ってます。←

ハッΣ(・□・;)無いですよ!?もう何も出ませんっ。完璧に枯渇しました(シワシワっす。もっとお水ください…)。
2015.06.21 Sun 00:39
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Name - ねこじゃらしにゃんたろー  

Title - ここに居てくれたらいいのにって

ここに居てくれたらいいのにって思うのが家族なんだってー!(BYつくえくん)
(って私すごいオタクぶりを発揮してますよね。このコメント欄で……)

薪さんに「お前は僕が岩ででもできていると思っているのか」って壁ドンしながら言って欲しい……。

ていうか、eriemamaさん、薪さん襲ってますよ?ますよ?
ぎゃ〜〜〜!
生き霊になって本音が出ちゃったんですかね!?

いいぞもっとやれ!(笑)
2015.06.21 Sun 00:22
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Name - なみたろう  

Title - いゃああああああああっ

ここで終わります!?(笑)
Misaさんの言う通り、ファンの想いをぶつけて…青木はにぶちんだし薪さん頑固だし、薪にゃんに言わせるとはうーんあっぱれ!!と思ったら、ここで終わります!?

まあ「かぷり」で撃沈するんだろうけどワンコ。
薪にゃんの猫らしさも可愛かった~
しっぽで返事とか、音もなく近寄るとか、にくきうとかっ!!ああたまらん。
もしかして勇気を出すために飲んだの薪にゃん( ;∀;)可愛いすぎる!
カワコ~いんだよ薪さんは甘ったるいんだよ~何だかんだ優しいんだよ~

ごちそうさまでした。
可愛かったです。
続き待ってます。←
2015.06.20 Sat 23:51
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