GARDEN CITY LIFE~annex~

お越しいただきありがとうございます。当ブログは清水玲子先生の『秘密』のレビュー(時にネタバレ)と二次創作(こちらは一部BL要素含)のざっくり二部構成になっております。記事は単純に日付順に表示されておりますので、お読み頂く際はサイドバーや記事一覧などでカテゴリーをご確認またはセレクト頂けますと安心、安全です<(_ _*)>

メロディ2016年4月号『秘密ー可視光線ーACT.4』を読んで②※ネタバレ要注意です! 


続きです。ネタバレがお嫌な方は引き返してくださいね。





桜木さんのお母さんの葬儀中、北九州地方は激しい雨に見舞われていました。ラジオかテレビかはわかりませんが、大雨洪水特別警報や土砂災害警報などの発令を告げる気象速報が流れています。
そんな悪天候の中弔問に訪れた薪さんはひとり祭壇の前で手を合わせていますが、その背中に桜木さんが、もうすぐ最後のバスが出ることを告げに来ます。
どうやら外は雷もひどくなってきたようです。自分たちは式場で線香の番をするから、と言う桜木さんが薪さんにもう帰るよう促します。
外に出て傘を広げる薪さんに、ありがとう、と声をかける桜木さん。
「こんな……」
雨で足元が悪い中、東京から九州の田舎に靴を濡らし手を合わせるためだけに足を運んでくれた薪さんへの感謝の言葉はなかなか続きはしませんでしたが、その代わり、もう一度ありがとう、と繰り返した桜木さんを、傘をさした薪さんが振り返ります。
「変えるつもりはないんですか」
おそらく薪さんが九州に足を運んだのは、線香をあげるため、というのに加え、桜木さんの意思を変えるためでもあったのでしょう…山本さんに冒頭で言い切ったように。
「あなたの『目』がーー『視界』が通常の人と異なることをこのままあなたが認めなければ、あなたは『健常者』として裁かれ、もちろん執行猶予は付きますが『業務上過失致死罪』に問われ有罪となり、懲戒免職となり、警察を追われる事になります」
桜木さんは目のことを認め自分が無罪になっても辞表を出す。でも、同じ警察を辞めるのでも有罪になって辞めざるを得ないのと無罪になってから己で身を引くのとではその後の人生が雲泥の差になる。それを指摘したのち、薪さんは更に桜木さんが自らの過失を認めてしまった場合、娘を奪われた黒谷知事が賠償請求をしてくるであろう可能性についても言及します。
それくらいのことは桜木さんも考えているでしょうが、自分で予想するのとこうして他人につきつけられるのとではまた違ったのかもしれません。その表情が強ばります。薪さんとしても、これだけこの先の厳しい現実をつきつければ桜木さんも考えを改めるだろう、と読んで敢えてした発言だったのでしょう。
「桜木さん、あなたに過失はなかった。ご自分の『目』の状態を公にし、あなたに過失は無かった事をまずあなたが認めて下さい」
…あなたがまずご自分を許してあげて下さい、っていうあの時の青木のセリフを思い出すような言葉ですね(・・;)いいシーンに水を差してすみません…でも自分もその言葉に少なからず救われたからこそ、同じように桜木さんがこの数十年背負い続けてきたものからも、彼を救い出してあげたいーーそういう思いからの言葉だったんじゃないかと思いました。
でも。
「薪。俺の目はちゃんと見えている」
「桜木さん!」
桜木さんは薪さんが思うより頑なでした。
「俺の目は健常者と同じように何の問題もなく見えている!」
「桜木さん!」
「あの時、犯人と間違えて由花里さんを撃ったのは『目』のせいではなく俺の過失だ!『目』のせいにして無罪になるつもりなど!」
「誰を守って嘘をつくんです!そうやってずっと『見えるふり』をして守り続けたあなたの母親はもういない!もうお母様のためにこれ以上嘘をつく必要はないんです…!」
なるほど薪さん、桜木さんが目のことを必死に隠そうとしているのはお母さんの名誉を守るため、彼女を大切に思うがためだということを理解されていたのですね。目のことがバレたら出世できないからとか警官でいられなくなるなんて瑣末な自分のための理由ではなく…。でも、そのー…(~_~;)桜木さんが言うように、ちゃんと目のせいにしないで贖罪させてくれ、という生真面目な理由も理由のうちの入らないわけではないと思うのですよね(^_^;)もちろんお母さんのことが大きいんだろうけれど、由花里さんのことだってこの世で一番大切な人、と形容したわけだし、ここで無罪になっちゃうと中途半端に償う機会を逸してしまう気がしたのかもよ…要は両方を満たす決着のつけ方が目のせいにせず有罪になる、という結論で。だからこうまで頑ななのではと。そんなあなたが嘘をつくのは由花里さんを射殺した罪を償いたいからじゃなくお母さん守るためでしょう、みたいに言うと由花里さん浮かばれないではないですか(^^;;ま、どっちにせよそのためにはウソつかなきゃいけないわけですが。
薪さんのセリフに言葉に詰まってしまった桜木さんの脳裏には、自分に手をかけようとした日の思いつめた母親の横顔やシンポジウムのMRIに映っていた自らの出生前に母が経験した地獄、どんな時でも自分を抱きしめてくれた母親の姿が過っていました。
と、そこに。
ドーン!!という轟音、それに続く天が裂けるようなバリバリという音とともに斎場付近に雷が落ちます。…どうでもいいけどその音に振り向いた薪さんの顔が怖い(笑)。今取り込んでんだよ邪魔すんじゃねーよ!みたいに見えません?(笑)←単にハッと驚いただけでは…(-。-;
もう薪さん以外は殆ど帰ったのかと思ってましたが、まだ斎場に職員の人かな?何人かいたようですね。
落雷で停電になった斎場は混乱。悲鳴や落ちた!という声に混じり、自家発電で灯りを確保しようといった声も上がっています。
それにしても雷もそうだけどすごい雨です。突如真っ暗になった周囲に、珍しく薪さんもプチパニック。暗闇は本能的な人の恐怖を駆り立てますからね…。
(まっ暗だ。何も見えない。何も)
「薪」
名を呼ぶ声とともにぬっと自身の肩を掴んだ手の感触に、びくっと振り返る薪さん。そこには、眼鏡を外した桜木さんの顔がありました。こ、これはビクッとなるわ(^^;;←決してそういうわけでは…
いつの間にかずぶ濡れになった薪さんに、桜木さんはついて来い、と告げます。…傘は?びっくりして落とした?いや、雷落ちたから危ないと思って離したのか…。
薪さん、久しぶりの濡れ姿です(一部マニアの皆さんにとっては嬉しいサービスショットなのでは^^;)!雨、滴ってます(笑)…おまけに同じくびしょびしょのいかついおじさんも付いてますが…(いつぞやのずぶ濡れ王子とは大違いですな…)
「見える。大丈夫だ俺は。『見える』から」
呆気にとられる薪さん。←いえ、まだプチパニックの中にいるだけですおそらく
おじさんついさっきは自分の目に異常はないって言い張ってたやん(・・;)←そこつっこんじゃダメ
…状況がそうさせただけかもしれませんが、初めて薪さんに目のことを認めましたね、桜木さん。そのことに気づき、胸をつかれたのでしょうか。薪さんも我に返ったようです。
「俺とおまえで残った職員を全員安全な上階層に避難させる。いいか」
おじさんが急に頼れる男になった!(^^;;…っていうか、それまでは最後のバスが…くらいのレベルだったのが雷ひとつで緊急事態に陥ったようなのが気になりますが…とりあえず急を要する事態になっている模様です(大雨や土砂災害警戒情報出てたしもっと前から慌てようよ皆さん…)。
俺とおまえで、という桜木さんのバディ要請に(←ナニソレ;;;;)「わかった」と薪さんも応じます。
とにかくすごいゲリラ豪雨は一晩続き、あらゆる警報が発令される事態になりました。…もう少し暗くなる前から避難しなきゃですよ皆さん(ーー;)
雨で交通が寸断されたのか救助は明日にならないとこない様子。土砂崩れを案じる声には、裏山が脆いが…という誰かの声が返っています。
そんな中、裏山の土の状態を見てくると一人外に出る桜木さんを、薪さんが止めようとします。
「桜木さん!無理です!いくらあなたでも…!」
「先に帰ってろ!」
「桜木さん!!」
薪さんの制止も聞かず、雨の中を進んでいく桜木さん。まるで自分だけに天が託した使命に応えようとしているようです。何も見えない、と光無しでは何も捉えられず立ち尽くすしかない薪さんと違い、桜木さんのその目は暗闇の中光が無くてもそこにあるものを捉えることができる。長年彼を苦しませてきたその「異質さ」が、今は必要とされていました。



(続きます)
関連記事
スポンサーサイト

Comment

Add your comment