GARDEN CITY LIFE~annex~

お越しいただきありがとうございます。当ブログは清水玲子先生の『秘密』のレビュー(時にネタバレ)と二次創作(こちらは一部BL要素含)のざっくり二部構成になっております。記事は単純に日付順に表示されておりますので、お読み頂く際はサイドバーや記事一覧などでカテゴリーをご確認またはセレクト頂けますと安心、安全です<(_ _*)>

メロディ2018年2月号『秘密ー冬蝉 ACT.3ー』レヴュー④ 

今日は2つ続けてアップしております。前回の続きは1つ下の記事になりますm(__)m



「私が殺したのよ!細川教授のお茶に培養したウイルスを入れて!」
住田先生の背中に泣きながら縋り、自分のために教え子に手を上げたその手を掴んで止めた冴子さんは、懺悔するように自供となる告白を続けます。
「高齢で抵抗力のない教授なら普遍的なウイルスの方が都合が良かった!どうしても論文を完成させたかったの!完成させてまたあなたに認めてもらいたかった。『やっぱり君は凄い』って、天才だって!」
だから、と冴子さんがつなぎます。
「だから見ないで…!あなたにだけは私が人を殺める所を見られたくない。ごめんなさい。ごめんなさい」
冴子さん、不器用で悲しい愛し方ですよね…天才だって、賞賛を受けることでしか愛されていると実感できなかったのかな。ものすごく愛されているのに。それは昔の輝かしかった時代だけではないのに。薪さんよりも誰よりも、いつも住田先生が心の真ん中に置いていたのは冴子さんなのに…。

あなただけは
ずっと
ずっと
私を崇拝していて
優秀で美しかった住田冴子だけを覚えていて
あなただけは


まぁ誰だって好きな人にはいい所を見せたいし、できることなら「あの人の中の私」を壊したくない、裏切りたくない、綺麗なままのイメージを持っていて…なんていうのもあると思う。ましてやもうその人の傍にはいくら願ってもいられなくなるなら尚更。でも、ずっとそれを貫きながら生きて別れなきゃいけないっていうのは、孤独な愛し方、愛され方な気がしてちょっと悲しいです。もちろんそんなの人それぞれで、それもまた冴子さんにとっては間違いなく大切な愛の形なのでしょうけれど。
なんだかな…不器用ですね。結婚したのがそもそもの間違いとか言っときながら、めっちゃ好きなんですよね、冴子さん。あなただけは、って、他の誰の愛もいらないからっていう求め方、激しいです。そんなに好きなのに、どうして一番住田先生を傷つける行為に及んでしまったのか…。
「私が死んでも、絶対に私の脳は見ないと約束して。お願い。お願い……」
そう言って住田先生に縋る冴子さん…我に返った住田先生も涙…。
ぶたれた上に摑みかかられ倒れ込んでいた薪さんに歩み寄り、膝をついてその身体を抱き起す青木…(ごめん途中からいるの忘れそうやったわ…)。
カチ。←なんの音?;;;;アレか?アレなのか…?;;;;
薪さん、やってくれます。
バトルが始まる前のあのちょっと不自然な胸ポケットを探るような動き。私たち、見過ごしてないよ…?(何せその一挙手一投足にいつも目が釘付けですから)
自分で起きられる、触るな、じゃなく。
※以下だいぶ勝手な妄想です クスン、ぶたれちゃった…( ; ; )と(←いやいやいや…;;;;)ちょっぴり弱った横顔を青木に見せつつ抱き起こされながら、青木、おまえ遅いよ、もっと早く助けろよ、この僕の顔に傷がついてもいいっていうのか?こんな時鈴木なら(以下略)――なのかと思いきや、コワかったぁ…( ;∀;)って未知姉さんばりにちょっと弱って見せているのかと思いきや。
「今のは、自供ととってよろしいですか?」
…はっ?と一瞬固まる涙の住田夫妻。ハッと息を呑む青木。←みんな我に返ったね。。。
そう、録ったどー!(・∀・)/、です。←レビューは真面目に正確に
さっきのカチ、の正体。ボイスレコーダーを取り出し、すっと手を伸ばして夫妻の方へそれを向ける薪さん。
「冴子先生。細川教授殺害をお認めになるんですね?」
どこまでも自分を押し殺し第九の捜査官としての薪剛を崩さない薪さん――そうでもしなきゃ心が折れてズタズタになっちゃうから自分を守るための鎧なのかも知れないけれど、それを着続けられるのは紛れもなくこの人の強さですよ…ねぇ、青木。
その気迫に押されたか、もうこれまでとようやく諦めたのか、無言のまま首を振る冴子さん。それを確認し、薪さんがさらに続けます。
「すみません、ちゃんと録れるように声に出してください」
どんな時だろうが冷静で確実さを求める仕事人薪さんに、さすがの冴子さんも青木も恐れをなしたように顔色を失い無言…。
薪しゃん、徹底してクール。ぶたれたホッペ真っ赤なのに( ;∀;)
すると、不意にフラッと立ち上がったのは住田先生。まさかこの人また暴力を!?と思ったのか、咄嗟に薪さんを自分の後ろに庇おうと動いた青木ですが、一旦冷静になった住田先生が再び手を上げることはありませんでした。
「…薪君さっきは、手を上げてすまなかった。しかし君は」
軽く頭を下げそう謝罪すると、
「君は優秀な警察官にはなったが、人の心はなくしてしまったのか…」
ハラハラと涙を流したまま、薪さんが口にした温度のない言葉を嘆く先生。
今はもう怒りよりも悲しみの方を多く湛えて見える慕い続けてきた恩師の目。ひどく傷ついたでしょうに、それでも殆ど表情を崩すことなくじっとその言葉を受け止めた薪さん。違う、違うよ先生…正しい判断と心が動く方は必ずしも一致はしなくて、それが薪さんをどれだけ苦しめ傷つけてきたか。選んだ答えが正しければ誰も責めはしないけれど、自分もそうできるとは限らない。正しければ心が痛まないわけじゃない…。
何よりも今、薪さんが身を呈してやりきったことにこめられた思いが、まるで伝わっていないのが悲しいです。



ジジジジジ、とまだ蝉が鳴いていたその夏。
弱々しく泣きながら地面に転がり、蟻が群がる中最後の足掻きを見せる足元の蝉を見下ろし、その時もまた涙をこぼしていた恩師。
『先生。先生、どうぞ』
無関係の人間には察しようもない突然の嘆きを向けられたにも関わらず、傍に歩み寄るとハンカチを差し出した薪さんを、住田先生は我に返ったように振り向きました。
『あ、すまない』
ハンカチを受け取り目元を拭う住田先生に、薪さんが先生、とそっと声をかけます。
『このセミにとっての一週間はもしかしたら、土の中から出て今アリに食われ絶命するまでの時間は、我々の80年よりも、いやもしかしたら地球誕生46億年に匹敵する程長くドラマチックだったのかもしれませんよ』
そう言って今よりほんの少しあどけなくも見える天使のような微笑みを惜しげもなく見せる薪さん…こんな教え子が欲しい(笑)←ハイハイ(ー ー;)
それにしても薪さん、あんたこの時一体幾つなの…?;;;;言い回しといい中身の深さといいハイティーンの台詞じゃないよ(-。-;
洗練されたやり取りで年齢や立場を超えて心通わせ、見つめ合う2人…。
『荘子の「胡蝶の夢」か!』
さすが天才同士、すぐに察しがつく住田先生。
『そうだな。セミにとっては果てしなく果てしなく長い一週間だったのかもしれないし、我々の一生もまた神の瞬きかもしれない。この宇宙そのものが蝉のみているユメかもしれない…果てしなくそしてはかない夢』
ポエム青木を軽く凌ぐロマンティスト住田先生…薪しゃん、こういうとこに惚れたの…?←いやいやいや;;;;
そして宇宙をバックに羽ばたくドアップの超リアルなセミ…先生、私宇宙の片隅に生きてるちっぽけな存在ですが、やっぱりセミの夢より蝶の夢の方に存在したいです…。←お腹から顔からリアルすぎて住田夫妻がギュイーンて解剖してた時よりコワイです…;;;;
『一瞬一瞬が美しく、消え去るはかない夢』
足元のセミを切ない表情を浮かべ見つめる2人…こんな風に寄り添っていた時間もまたはかなく過ぎていく一瞬のきらめきのようなもので。でもその一瞬に心が踊ったり痛んだり、それが永遠のように思われたりもするんですよね、私たちには。



殺人を認めたことで、住田先生と共に警察官に連れられていく冴子さん。感情を消し、2人の後ろ姿を黙って見送る薪さんを、気まずそうにチラリと青木が横目に見ます。
久しぶりだったのだろう恩師との再会で見せた、おそらく青木は今までに見ることがなかったのだろう薪さんの感情豊かな表情の数々。
けれども今、頰を腫らし伏し目がちに佇む薪さんはまた完全に全ての感情を閉じ込めたようで。
きっと相当傷ついているに違いないその胸の内を思い、薪さ…、と声をかけようとしますが、肩に触れようとした手を拒むように、薪さんはすっと青木を残し立ち去るのでした。

その後の4月上旬。
冴子さんには細川教授殺害の有罪判決が出、物議を醸しますが予定通り「すいせい2」は打ち上げられます。
そして刑期停止のまま7月下旬、ハレー彗星飛来を待つように、入院先の病院で住田先生に看取られ、冴子さんは亡くなったのでした。


(終わり)


最後はバタバタと連投ですみません…長いのに。
ちょっともう4月号レビューは間に合わん感じなので、6月号発売後にノロノロとやってこうと思います。一応、レビューは冬蝉まで、ということで区切りをつけようと思っております(⌒-⌒; )

おつきあいありがとうございました。
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